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大腸ガン

大腸腫瘍とは?

大腸腫瘍とは大腸という管の内腔の粘膜面から発生する隆起性の病変です。大腸腫瘍には良性腫瘍である大腸ポリープや悪性腫瘍である大腸ガンがあります。

また大腸ポリープにも一部に癌化するものもあります。

 

なぜ手術をするの?

結腸切除術は大腸の閉塞、狭窄などをきたす原因を取り除いたり、障害された腸管を切除したりする目的で行われます。対象になる疾患は悪性腫瘍、ポリープ(良性腫瘍)、クローン病、潰瘍性大腸炎、大腸憩室炎などです。

 

術前検査

1. 血液検査・腫瘍マーカー
2. 大腸ファイバー
3. 大腸透視
4. 腹部エコー
5. 腹部CT
6. 胸部・腹部レントゲン検査
7. 心電図・呼吸機能検査

 

腹腔鏡下大腸切除術

1. 腹腔鏡下手術は、手術器具の進化・手術技術の進歩により、現在では標準的な手術法です。
2. 腹腔鏡下手術はキズが目立たず美容的で、術後疼痛の少ない手術法です。
3. 入院期間が短く、費用面・精神面・生活面での負担が少ない手術法です。

たとえば上行結腸癌の場合・・・




 

手術後は・・・

1. 手術後の食事は3日目頃から始め、最初は白湯(さゆ)や流動食から始めます。
2. 結腸手術のあと、しばらく軟便が続いたり便秘になったりすることがあります。
3. 結腸切除術後は、定期的な検査を必要とします。

 

術後合併症は・・・

これらの合併症は、通常術後2週間以内におこります。

2週間経過した時点で、これらの合併症が無ければ、それ以後に新たに発生する危険性はほとんどありません。

 

1. 出血
2. 縫合不全(つなぎ目がふさがらず、再び漏れを起こすこと
3. 感染(肺炎、創感染、腹腔内膿瘍)
4. 梗塞(脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞)
5. 腸閉塞(腸の癒着やねじれで、通過障害が起こること)
6. 術後せん妄(幻覚や妄想、興奮などの一時的な精神症状)

 

大腸ガンの進行度(ステージ分類)

ガンの浸潤の度合い(ガンの深さ)とリンパ節転移、遠隔臓器への転移状況で決まり、これら3要素を組み合わせて0、I、II、IIIA、IIIB、IVの6段階に分類されます。

大腸ガンの深達度 (T因子)

M 粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない
SM 粘膜下層に浸潤する腫瘍
MP 固有筋層に浸潤する腫瘍
SS, A 固有筋層をこえ浸潤しているが、漿膜内にとどまっている
SE 漿膜表面に露出している
SI, AI ガンが直接他臓器に浸潤している

大腸ガンのリンパ節転移 (N因子)

N0 リンパ節転移を認めない
N1 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が3個以下
N2 腸管傍リンパ節と中間リンパ節の転移総数が4個以上
N3 主リンパ節または側方リンパ節に転移を認めるもの
N3より遠いリンパ節に転移を認める場合はM(遠隔転移)とする

大腸ガンの遠隔転移 (M因子)

P 腹膜転移を認めるもの
H 肝転移を認めるもの
M 肺や遠いリンパ節など(肝臓以外)の遠隔臓器への転移
大腸ガンの進行度(ステージ分類)
    N0 N1 N2, N3 H, P, M




M 0 - - -
SM,MP 1 3A 3B 4
SS,SE,A,SI,AI 2 3A 3B 4

<大腸癌取扱い規約第7版>

大腸ガンのステージ別5年生存率
ステージ 結腸ガン 直腸ガン
0期 94.8% 92.9%
1期 90.6% 89.3%
2期 83.6% 76.4%
3a期 76.1% 64.7%
3b期 62.1% 47.1%
4期 14.3% 11.1%

<大腸癌研究会1991年−1994年度症例>

5年生存率とは、5年間再発しないということではなく、(状態はともかく)治療開始から5年後に生存している人の割合です。

早期大腸ガンといわれるステージ1期の5年生存率は約90%ですが、病期が進行するとともに5年生存率は徐々に下がります。

 

大腸ガンの化学療法

大腸ガンに対する化学療法は年々進歩してきています。

現在では、フルオロウラシル(5-FU)、イリノテカン(略称:CPT-11 商品名:カンプト、トポテシン)、オキサリプラチン(商品名:エルプラット)、ホリナートカルシウム(略称:LV 商品名:ロイコボリン,アイソボリン)、カペシタビン(商品名:ゼローダ)などが代表的な抗ガン剤でこれらを組み合わせて治療を行います。

抗ガン剤治療には副作用が伴います。抗ガン剤治療により得られるメリット(再発・転移の可能性が低くなる)よりもデメリット(副作用により苦しむ)の方が大きくなってしまうこともあります。 そのため一般的に術後補助化学療法を行うのはリンパ節転移のあるステージ3以上の患者さんが対象とされています。

また、リンパ節転移がないステージ2の患者さんでもガンの顔つきが悪い(病理検査により再発のリスクが高い性質のガン)と判断された場合には抗ガン剤の治療を行ったほうが良いとされています。

ただし、体力が十分ではない患者さんは抗ガン剤治療をやることで、重大な副作用を引き起こすリスクが高くなるため、条件が整うまで抗ガン剤治療は始めません。

 

現在行われている主な抗ガン剤の組み合わせ

1. 5-FU/LV

5-FU+LV(ロイコボリン:国内ではアイソボリン)

2. 5-FU/LV + BEV

5-FU+LV +ベバシズマブ(アバスチン)

3. FOLFOX(フォルフォックス)

5-FU+LV+オキサリプラチン(エルプラット)

4. FOLFOX + BEV

FOLFOX +ベバシズマブ(アバスチン)

5. FOLFIRI(フォルフィリ)

5-FU+LV+CPT-11(イリノテカン)

6. FOLFIRI + BEV

FOLFIRI +ベバシズマブ(アバスチン)

7. FOLFIRI +セツキシマブ

FOLFIRI +セツキシマブ(アービタックス)

8. CPT-11 +セツキシマブ

CPT-11(イリノテカン) +セツキシマブ(アービタックス)

9. XELOX

カペシタビン(ゼローダ) +オキサリプラチン(エルプラット)

10. XELOX + BEV

XELOX療法+ベバシズマブ(アバスチン)

11. IFL療法

5-FU+LV+CPT-11(イリノテカン)

おわりに

手術後は定期的に通院し、初めは3ヵ月毎に採血、レントゲン、超音波やCTなどの検査を行います。

結腸手術のあと、しばらく軟便の続くことがあります。結腸切除を受ける原因によっては定期的なチェックを必要とします。

気になることがあれば、なんでも医師に相談してください。