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2021/09/22

検査科だより4:新型コロナウイルス変異株とは

 

 新型コロナウイルス変異株とは 

 

 

ウイルスとは

ウイルスは、蛋白質の外殻、内部に遺伝子(DNA、RNA)を持っただけの単純な構造の微生物です。細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。たとえ栄養と水があったとしても、ウイルス単独では生存できません。
また、自分自身で増殖はできず、生きた細胞の中でしか増殖できません。他の生物を利用して自己を複製し増殖します。その過程で「変異」を繰り返し、環境に適応しやすいように姿を変えていきます。

 

新型コロナウイルスの変異の仕組み

 

 

  1. ウイルス表面にある、トゲ状の「スパイクたんぱく質」が、ヒトの細胞表面で受容体たんぱく質(アンジオテンシン変換酵素2=ACE2)に結合して細胞内に侵入する。
  2. 細胞の中では、RNAの情報に従って、ウイルスの原料となるたんぱく質を翻訳(合成)する。RNAは大量に複製され、たんぱく質とともに組み立て・成熟が進んで「子孫ウイルス」ができ、細胞外へ放出される。
  3. RNA複製の過程で一定の確率でミスが生じて、RNAを構成する塩基配列が変わることがある。この現象を「変異」という。新型コロナウイルスも約2週間で1塩基程度の速度で変異していると言われています。感染の広がりやすさ、引き起こされる病気の重さが変わったり、ワクチンや薬が効きにくくなることもあります。

 

国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析し、その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)」と「注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)に分類しています。

 

 

 

 

【 N501Y・E484Kってなに? 】

N501Y;たんぱく質の501番目のアミノ酸が(アスパラギン酸)からY(チロシン)に変異した新型コロナウイルス。イギリス型など。

E484K;たんぱく質の484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変異した新型コロナウイルス。東京型など。

 

【 当院における検査の対応 】

最近、お問い合わせの中に「デルタ株とかを調べることができるか」と、お電話をいただきます。答えは、Noです。
デルタ株など変異株の確定は、特殊な研究機関で、ゲノムの解析を行わないと分かりません。しかし、当院で実施しております抗原定量検査もPCR検査も、今の所すべての変異株に反応するとのことです。

当院の発熱外来において、陽性者の多くがワクチンの接種がまだ済んでいない世代です。ワクチン接種がお済みでない方は、出来るだけ早くワクチン接種されることをお勧めいたします。
また、すでにお済みの方も安心はせず、不要不急の外出は避けてください。マスクの着用と手洗いは、今まで通りに励行してください。

 

福岡市のワクチン接種についてはコチラから

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