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2021/12/03

検査科だより:新型コロナウイルス変異株※追記掲載

※2021年9月22日掲載分に追記いたしまして再掲載いたします。(2021年12月3日)

 

 

 新型コロナウイルス変異株とは 

 

 

ウイルスとは

ウイルスは、蛋白質の外殻、内部に遺伝子(DNA、RNA)を持っただけの単純な構造の微生物です。細菌のように栄養を摂取してエネルギーを生産するような生命活動は行いません。たとえ栄養と水があったとしても、ウイルス単独では生存できません。
また、自分自身で増殖はできず、生きた細胞の中でしか増殖できません。他の生物を利用して自己を複製し増殖します。その過程で「変異」を繰り返し、環境に適応しやすいように姿を変えていきます。

 

新型コロナウイルスの変異の仕組み

 

 

  1. ウイルス表面にある、トゲ状の「スパイクたんぱく質」が、ヒトの細胞表面で受容体たんぱく質(アンジオテンシン変換酵素2=ACE2)に結合して細胞内に侵入する。
  2. 細胞の中では、RNAの情報に従って、ウイルスの原料となるたんぱく質を翻訳(合成)する。RNAは大量に複製され、たんぱく質とともに組み立て・成熟が進んで「子孫ウイルス」ができ、細胞外へ放出される。
  3. RNA複製の過程で一定の確率でミスが生じて、RNAを構成する塩基配列が変わることがある。この現象を「変異」という。新型コロナウイルスも約2週間で1塩基程度の速度で変異していると言われています。感染の広がりやすさ、引き起こされる病気の重さが変わったり、ワクチンや薬が効きにくくなることもあります。

 

国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析し、その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)」と「注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)に分類しています。

 

 

 

 

【 N501Y・E484Kってなに? 】

N501Y;たんぱく質の501番目のアミノ酸が(アスパラギン酸)からY(チロシン)に変異した新型コロナウイルス。イギリス型など。

E484K;たんぱく質の484番目のアミノ酸がE(グルタミン酸)からK(リシン)に変異した新型コロナウイルス。東京型など。

 

【 当院における検査の対応 】

最近、お問い合わせの中に「デルタ株とかを調べることができるか」と、お電話をいただきます。答えは、Noです。
デルタ株など変異株の確定は、特殊な研究機関で、ゲノムの解析を行わないと分かりません。しかし、当院で実施しております抗原定量検査もPCR検査も、今の所すべての変異株に反応するとのことです。

当院の発熱外来において、陽性者の多くがワクチンの接種がまだ済んでいない世代です。ワクチン接種がお済みでない方は、出来るだけ早くワクチン接種されることをお勧めいたします。
また、すでにお済みの方も安心はせず、不要不急の外出は避けてください。マスクの着用と手洗いは、今まで通りに励行してください。

 

(2021年12月3日追記)

最近発見されました「オミクロン株」につきまして、

当院で実施しております検査はこれまでの変異株と同様に検出または測定可能となっております。

 

福岡市のワクチン接種についてはコチラから

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