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2024/05/20

検査科だより:FMD検査で早期発見する動脈硬化と血管健康

FMD検査

 

生理検査室では昨年からFMDという検査を開始しました。

今回はそのFMD検査についてお話したいと思います。

FMD検査とは、「Flow Mediated Dilation」の略で、日本語では「血流依存性血管反応検査」を意味します。

脂質異常症・高血圧・糖尿病などの生活習慣病は、動脈硬化と密接な関係にあります。

無症状のまま進行し、脳梗塞や心筋梗塞などの原因になりうる恐ろしい病気です。

動脈は内膜、中膜、外膜の三層構造から成り立っています。

内膜には内皮細胞があり、FMD検査はこの内皮細胞の機能を非侵襲的に調べることで動脈硬化を早い段階で捉えることが可能になります。

 

動脈硬化とは??

 

内皮細胞は、血流が増えると血管拡張物質である一酸化窒素(NO)を産生し、放出します。

このNOは中膜の平滑筋に作用し、平滑筋の緊張が緩んで血管が広がります。

カフで腕を締めた後の血流増大によりNOが血管内皮からどれだけ放出されたかを、駆血前後での上腕動脈の拡張度(%)で評価しています。

 

 

【検査の流れ】

 

検査時間は約20~30分程度です。   

ベットに仰向けの状態で横になっていただき、片腕の上腕部分に血圧計を巻きます。

  1. 安静時の上腕動脈の血管径を測定
  2. 前腕部を駆血(5分間)
  3. 駆血解除後、最大拡張期の血管径を再度測定(2分間)

駆血前後で血管径を比較し、開放後にどれだけ血管が拡張したかを%で表します。

=正常値 7%以上 

境界値 4~7% 

異常値 4%未満

 

検査できない方

 

・腕を駆血できない方

 例)透析用のシャントを形成している場合

   乳がんなどの治療で腋窩リンパ節郭清を行っている場合

   CVポート(皮下埋め込み型ポート、リザーバー)が留置されている場合

圧迫による駆血ができない場合は、反対側の腕で検査を行いますが、両腕共に圧迫駆血ができない場合は検査できません。

 

検査注意事項

 

・血圧測定などで上腕を圧迫した後にFMD検査をする場合は、30~1時間程空けてから検査を実施します

・採血された場合はしっかり止血をしてから検査されてください

・腕を圧迫したときに皮下出血を起こしやすいため、血液抗凝固作用を服用されている方は検査スタッフにお伝え下さい

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