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2024/06/17

大腸がん/大腸ポリープについて

大腸癌の死亡率は、男性では肺がん、胃がんに続く第3位で、女性では肺がん、胃がんを抜いて第1位と報告されています。さらに、大腸がん罹患数は、胃がん、肺がんを抜いて第1位、死亡数は胃がんを抜いて肺がんに続く第2位となると予測され、今後も大腸がんの罹患数・死亡数は増える可能性があります。

しかし、大腸がんは、早期発見で100%近く完治すると言われています。

今回は、大腸がん/大腸ポリープ(将来がんになる可能性のあるポリープ)がどんな病気なのか、その症状や検査方法、早期がん/ポリープに関しての内視鏡治療に関して、いくつかご紹介します。

 

大腸の構造と大腸壁の構造

まず、大腸はどこにあるかご存じでしょうか?消化管は口から肛門まで連続した管腔構造をしています。食べた食物を胃内で胃液により分解し、小腸で消化・吸収し、大腸に流れていきます。大腸は盲腸から始まり、上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸で構成されています。大腸壁は顕微鏡で観察すると層状構造をしており、内側から粘膜・粘膜下層・固有筋層・しょう膜下層・しょう膜の5つの層から構成されています。

 

大腸ポリープとは?

大腸がん/大腸ポリープは、粘膜から発生します。ポリープを平たく言うとイボです。私たちの顔にできるイボは放置してもがんになる可能性は低いのですが、大腸のイボである大腸ポリープは大腸がんの芽となる場合があります。

大腸ポリープは肉眼的な形により無茎性ポリープ、亜有茎性ポリープ、有茎性ポリープに分類されます。

 

大腸ポリープのがん化

ただし、すべての大腸のイボががん化するわけではありません。

つまり、がんになるポリープ、ならないポリープが存在するのです。がんになるポリープは腫瘍性ポリープと言われています。このうち8割が腺腫と呼ばれる良性のポリープです。がんにならないポリープは非腫瘍性ポリープと呼ばれ、過形成ポリープや炎症性ポリープがあります。

 

大腸がん/大腸ポリープの発見

大腸がん/大腸ポリープを見つけるにはどうすればいいでしょうか?その検診法と診断法を解説いたします。福岡市の大腸がん検診法は、満40歳以上の方が対象となる便潜血検査です。自宅で2日間の便を採って提出する検査で、食事制限もありません。各区保健福祉センター、公民館、健康づくりサポートセンターや実地医療機関で受けることができます。

しかし「平成25年度地域保健・健康増進事業報告」によると、大腸がん検診受診率は19%にすぎず、精密検査受診率は64%にとどまっています。診断法は①直腸指診②注腸検査③大腸内視鏡検査④大腸CT検査⑤大腸カプセル内視鏡検査などがあります。

 

便潜血検査による検診法に加え、大腸内視鏡検査や注腸検査などの診断法を行いポリープやがんを発見できます。特に大腸内視鏡検査は、病変部の組織検査による確定診断や早期がん、ポリープの内視鏡治療を行うことができる唯一の方法です。

当院では、今回解説した全ての診断法を行うことが可能です。一度も大腸検査を受けたことがない方や便通異常など症状があるにもかかわらず検査が不安なため受診を躊躇されている方は気軽にご相談ください。

大腸がん/大腸ポリープの成因・予防

日本における大腸がんが増加した理由として、食生活の欧米化が指摘されています。大腸がんの発生を確実に抑制する有効な予防法は、現在のところ確立されていません。しかし、大腸がん発生の危険因子として①年齢(50歳以上)②大腸がんの家族歴(血縁者の中に大腸がんの方がいる)③高カロリー接種及び肥満④過量のアルコール摂取⑤喫煙など、また大腸がん発生の抑制因子として①適度な運動②食物繊維の接種③アスピリンの内服などがこれまで報告されています。

大腸がんの発生部位/大腸がんの症状

大腸どこの部位にもがんは発生しますが、日本人の場合、左側結腸に全体の74%を占め、特に直腸、S状結腸がそれぞれ35、34%となっています。

大腸がんの症状は発生した部位により若干異なる症状を呈します。右側結腸は便性状がまだ液状のため閉塞症状が起こりにくく、ある程度腫瘍が大きくなり、しこりとして発見されることがあります。

また慢性出血による貧血で発見の経緯になることもあります。左側結腸では出血→便秘→下痢→便が細くなるなどの経緯にて発見されることが多いようです。

大腸がんの治療について

大腸がんの治療方針を決定する上で、進行度・病期(ステージ分類)を正確に予測する必要があります。それはがんの深達度、リンパ節転移の有無、肺や肝臓への転移(遠隔転移)の有無で決定します。

ステージ分類は0~Ⅳに細分化されており、ステージⅠの内浸潤が深いものからは基本外科手術が前提となります。0~Ⅰのうち浸潤が浅いものは内視鏡治療を行い切除し、標本の最終診断にて経過観察するか追加外科治療が必要か判断します。つまり、早い時期に見つかった大腸がんは、手術の必要性がないと言うことになります。

以上、大腸がん/大腸ポリープに関して、ご紹介させていただきました。みなさんに少しでもお役に立てればと思います。何か気になる事がありましたら、ぜひご相談ください。

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