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2021/08/12

検査科だより3:新型コロナワクチン抗体検査とは

 

新型コロナワクチン接種後スパイク抗体(中和抗体)検査

 

当院では、スパイクタンパク質(S)に対する定量的なIgG抗体検査ARCHITECT SARS-CoV-2 IgG 2II Quant(Abbott社)を用いて、ワクチン接種後の中和抗体活性を調べています。

 

   

 

 

【スパイクタンパク抗体(中和抗体)がどれくらいあれば大丈夫なのか?】

 

ウイルス量を50%まで減少させることを確認する培養細胞試験で、4,160AU/mLあれば95%の確率で高力価と報告されています。

 

 

最近の欧米の研究では、ファイザー製ワクチン接種後の抗体価について、1回目の接種後の中央値2,217AU/mL、2回目の接種後の中央値6,396AU/mLと報告されています。

 

 

2021年5月に長崎大学より発表された日本人を対象とした研究では、ファイザー製ワクチン接種後の抗体価について、1回接種後14日の中央値は約1,000AU/mL、2回接種後の中央値は約22,000AU/mLと報告されています。

 

 

当院の職員10名の新型コロナワクチン2回接種後の新型コロナIgG抗体検査の結果です。2回目のワクチン接種から検査までの期間は、1週間以上で一定ではありませんが、下記の値が期待できます。

 

 

 

最小値・・・5290AU/mL

 

最大値・・・12000AU/mL

 

中央値・・・6608.5AU/mL

 

 

 

【スパイクタンパク抗体(中和抗体)はいつまで残るの?】

 

最終的にワクチンの効果がどの程度持続するのかはまだ分かっていません。最近発表されたハンガリーの研究では、ファイザー製ワクチンにおいて、2回目の接種後1週間でピークとなり、以後中和抗体は減少すると報告されています。

国立国際医療研究センターからも、2回目接種後1週間が最も高く、約1ヶ月の経過で平均42%減少する可能性が報告されています。新型コロナウイルスについては、明らかになっていない部分が多く、今後、ワクチン接種後どこまで抗体価が下がっていくのか、また追加接種の必要性があるかについての研究報告が待たれます。 ご自身の中和抗体がいつまで保持されているのか気になる方は、定期的な検査をお勧めします。

ただし、抗体検査の結果、中和抗体が高くても絶対に感染しないことを保証するものではありません。 引き続き、マスクの着用や手洗いなど、感染予防を心がけて下さい。

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