2024/08/28
放射線科だより:CT検査とMRI検査の違いは?
CT検査とMRI検査はどう違うの?
CT検査とMRI検査どちらも体内の情報を画像化する検査ですが『検査方法(何を利用して検査を行うか)』、『画像にして診断しやすい部位や病気』などが主に違うところです。
まずはCT検査です。以前『第2回CT検査』の回で説明しましたが、omputedTomography(コンピューター断層撮影)の略で放射線を用いて行う検査です。
ドーナツのような穴の空いた機械へ入り、放射線を照射しながら体中の情報を収集し、得られたデータをコンピューター処理によって画像化します。検査時間はおおよそ10~15分程度です。
一方、MRI検査のMRIとはmagnetic Resonance imaging : 磁気共鳴画像診断装置の略で強い磁気と電波を利用して体内の情報を画像化します。X線を利用するCTと違い被曝がないのも大きな特徴の一つです。
当院MRI装置 signa pioner 3.0T
機械自体が大きな強い磁石となっているため、いくつかの注意事項があり、検査前には問診票に沿ったチェックを行わないと入室出来ません。場合により検査が出来ないこともあります。
体からデータを収集のに原理上CTのようにすばやくは撮影できず、ゆっくりとおこなうため検査時間も20~60(検査の内容によります)とちょっと長くかかります。もう一つの特徴として検査中、大きな音を出しながら撮影を行います。
MRI検査の画像を作るしくみ
ここからはちょっと難しい『撮影のしくみ』のお話をなるべく、わかり易いように説明していきます。
私たちの体の中にある臓器や骨、筋肉、腱、血液などは化学で勉強したスイ(H:水素)、ヘイ(He:ヘリウム)、リー(Li:リチウム)、ベー(Be:ベリリウム)・・・のようないろいろな原子の集まりで作られています。
その原子をさらに細かく分けると、原子核と電子から出来ていて原子核は陽子と呼ばれています。
陽子は軸を中心に回転しており、そのことで磁場を持っています。イメージとしては棒磁石が回転しているような感じです。そして陽子の軸は下図のようにバラバラにいろんな方向を向いています。
ヒトのからだは60~70%水分で出来ています。水分(水)は水分子の集まりで作られ、水分子は水素原子2つと酸素原子1つから構成されています。
MRIは体の中で一番多く存在している磁気を帯びた水素原子( H = プロトン )の動きを利用して画像にします。
MRI難しいですね。ここまででやっと本題の前置きの話が終わりました。
また次回、続きをお話します。